― 傾いた土台を肋軟骨で再建し、形態と機能を両立させた高度修正鼻整形 ―

ご相談内容

今回の患者様は、以前の鼻手術で鼻の穴に左右差が生じ、さらに鼻全体が曲がったように見えるうえに鼻通りまで悪くなったということでご来院されました。

鼻整形は、見た目の美しさだけでなく、「呼吸」という機能面も非常に重要です。
特に過去に複数回手術している場合、軟骨や粘膜が傷ついていたり、鼻中隔が偏位していたりすることが多く、見た目と機能の両面の修復が求められます。

診察にて、

• 鼻中隔（中央の仕切り）が大きく傾いている

• 鼻翼軟骨の変形

• 皮膚の癒着と瘢痕

• 鼻孔縁の高さの左右差

• 呼吸時に片方の鼻がつまる

など複数の問題が確認されました。

👃 鼻の穴の左右差・曲がりが起こる原因

鼻整形後に鼻の穴や鼻筋の非対称が生じる原因には、様々な要素が関与します。

▼ 主な原因

• 土台（鼻中隔）がもともと曲がっている

• 手術で軟骨が不均等に処理されている

• 内部の軟骨の噛み合わせがズレている

• 瘢痕拘縮による引きつれ

• 術後の腫れや癒着で軟骨が歪んで固まる

• 鼻孔縁の支持が弱いため、片側だけ下がるor上がる

鼻の穴や鼻筋は「顔の正中線（中心線）」に対してのズレが最も目立つパーツです。
そのため、わずかな角度の違いでも不自然に見えてしまうことがあります。

また、「鼻通りが悪くなる」原因も、

• 鼻中隔の偏位

• 内部軟骨の癒着

• 内側脚の不適切な縫合

• 十分な支持組織がない
  などが影響しており、形だけ整えても解決できません。

🔍 術前評価の重要性

鼻整形（特に修正手術）では、術前評価が結果の7割を決めると言って良いほど重要です。

▶ 術前に必ず確認するポイント

• 鼻中隔軟骨の曲がり具合

• 鼻先の支持力（軟骨の強さ・残存量）

• 鼻孔縁の高さの左右差

• 鼻の骨格（鼻骨の幅・高さ）

• 皮膚の厚さ・硬さ

• 過去手術による瘢痕や癒着

• 吸気・呼気の際の空気の通り方

• 鼻呼吸の妨げとなる内部構造の変形の有無

これらの評価を行わずに手術すると、
曲がりが悪化したり、左右差が強調されたり、鼻通りがさらに悪くなることもあります。

今回の患者様では、
・土台の傾き
・鼻翼の変形
・内部構造の癒着
・鼻通りの悪化
などが同時に存在していたため、構造からの再建が必要でした。

✨ 実施した手術

患者様のご希望は、
「元々よりまっすぐな鼻筋を作りたい」
「鼻の穴の左右差を可能な限り減らしたい」
「呼吸もしやすくしたい」
というものでした。

そのため、以下の手術を組み合わせて行いました。

▼ 今回の施術内容

• 重度修正手術

• 鼻中隔延長（肋軟骨）

• 鼻尖形成

• 耳介軟骨移植

• 自家組織隆鼻

すべて自家組織（肋軟骨・耳介軟骨）で再建することで、
人工材料では実現しにくい強度・柔軟性・長期安定性
を確保しました。

重度修正手術＋鼻中隔延長（肋軟骨）＋鼻尖形成＋耳介軟骨移植＋自家組織隆鼻の術前と術直後の症例写真 手術中のこだわり・工夫ポイント

▶ 1. 肋軟骨で傾いた土台を立て直す

鼻の曲がりの根本原因である「土台の偏位」を修正するため、
肋軟骨を加工して**まっすぐで強固な中央支柱（L-strut）**を再建しました。

これにより、鼻全体の軸が整い、左右差が改善しやすくなります。

▶ 2. 鼻先は自然なカーブを描くように

鼻尖はただまっすぐに伸ばすのではなく、
柔らかいCカールを意識したラインを形成しました。

このカーブがあることで、

• 女性らしい上品な鼻

• 横顔の美しさ

• 鼻先の柔らかい表情
  を作ることができます。

▶ 3. 鼻唇角を整えて横顔美人に

鼻柱 → 鼻尖 → 鼻背 の流れが整っていても、
鼻唇角（鼻と上唇の角度）が低いと、
顔全体が重く見えたり、鼻が短く見えます。

鼻中隔延長で角度を調整することで、
自然に鼻先が上がって見える・Eラインが整う
といった効果が得られます。

▶ 4. ピンチノーズの改善

正面から見たとき、鼻尖横に深い線が入る“ピンチノーズ”が起きていました。
これは

• 外側脚の支持不足

• 過剰な瘢痕

• 寸足らずの内部構造
  などが原因です。

耳介軟骨を適切な位置に移植し、潰れた部分に張りを戻して自然な丸みとふくらみを形成しました。

▶ 5. 呼吸機能の改善

鼻の見た目だけでなく、

• 空気の通り道を広げる

• 偏位していた中隔を修正

• 鼻翼の吸い込みを改善
  などの処置を加え、呼吸も改善しました。

重度修正手術＋鼻中隔延長（肋軟骨）＋鼻尖形成＋耳介軟骨移植＋自家組織隆鼻の術前と術後の症例写真

　術後の変化（正面）

• 鼻の穴の左右差が改善

• ピンチノーズが解消

• 鼻柱の立体感が生まれ、自然な陰影が出る

• 鼻全体がまっすぐに見える

（斜め）

• Cカールラインが自然に生まれて美しい

• 鼻筋の高さと滑らかさがアップ

• 鼻先〜唇へのつながりが綺麗

（横顔）

• 鼻唇角が整い、上品な横顔に

• Eラインが改善し、口元とのバランスが向上

• 鼻先の高さ・角度が自然で洗練された印象に

重度修正手術＋鼻中隔延長（肋軟骨）＋鼻尖形成＋耳介軟骨移植＋自家組織隆鼻の術前と術後の症例写真

 修正手術が難しい理由

鼻修正は「初回より簡単」だと思われがちですが、実際は逆です。

修正手術の難しさ

• 瘢痕で内部が固まっている

• 以前使った軟骨が変形している

• 残っている軟骨が少ない

• 鼻中隔が強く傾いている

• 皮膚が硬い・伸びない

• 血流が低下している

• 呼吸機能が低下している

このように、ひとつの問題ではなく複数の問題が絡み合った状態です。

そのため、
技術 × デザイン × 経験
この3つが揃っていないと満足のいく結果になりません。

私は修正手術の割合が非常に高いため、
国内外問わず常に最新の技術を学び、
世界の著名ドクターとも情報を共有し、
より良い方法を常にアップデートしています。

まとめ

今回の症例では、

• 曲がった土台を肋軟骨で再建

• 鼻の穴の左右差を改善

• ピンチノーズを自然な形へ

• 鼻先のCカールを形成

• 鼻唇角を整え、横顔の印象を改善

• 呼吸機能も向上
  と、形態と機能の両方を同時に改善することができました。

鼻は顔の中心で、わずかな違いが印象を大きく変えます。
だからこそ、「理想の形」と「似合う形」を正確にデザインする力が最も重要です。

他院で断られたケースや、どう直せばいいか分からない場合でも、
まずは一度ご相談ください。

重度修正手術＋鼻中隔延長（肋軟骨）＋鼻尖形成＋耳介軟骨移植＋自家組織隆鼻の術前と術後のプライベート写真（患者様提供）

【神症例解説】理想の鼻を見つけるカウンセリング術

◼️こちらの症例の施術料金

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術後には浮腫み、内出血、感染、曲がり等が出現する可能性があります。経過で不安を感じた方はすぐにご連絡下さい。
※ダウンタイム（ギプス装着）2週間

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