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綺麗な唇の条件とは?M字リップ・ピーナッツリップの特徴と理想の唇のバランスを形成外科専門医が解説

M字リップ形成 の症例情報

M字リップ形成

美しい唇は形で決まる?M字リップ・ピーナッツリップと上下のバランスを解説

綺麗な唇というと、ふっくらした唇や、口角が上がった唇をイメージする方が多いと思います。

しかし、唇の美しさは単純な厚さだけで決まるものではありません。

上下の唇のバランス、上唇のM字の形、下唇のくびれ、口角の位置など、さまざまな要素によって印象が変わります。

今回は、医学論文を参考にしながら、綺麗な唇の条件と、M字リップ・ピーナッツリップの特徴について解説します。

① 綺麗な唇の条件は?上下の唇の黄金比

唇の美しさを考えるうえで重要なのが、上唇と下唇のバランスです。

美容医療では、上唇と下唇の比率について、古くからさまざまな研究が行われています。

その中でよく知られているのが、

上唇:下唇=1:1.6

という比率です。

つまり、下唇が上唇よりも少し厚いバランスです。

Fanousらの2007年の論文でも、下唇のボリュームは上唇より約50%大きいことが、審美的な目安として紹介されています。

ただし、これは絶対的な黄金比ではありません。

唇の好みには個人差があり、年齢や人種、顔全体のバランスによっても理想的な比率は変わります。

私は上唇と下唇の比率だけでなく、鼻・人中・顎とのバランスを確認しながら、自然な唇のデザインを考えるようにしています。

■上下の唇の黄金比

② M字リップとは?

M字リップとは、正面から見たときに、上唇がアルファベットの「M」のような形に見える唇のことです。

上唇の形を理解するためには、2つの解剖学的構造が重要です。

キューピッドボウ(Cupid’s bow)

上唇と皮膚の境界にある、M字状の輪郭です。

上唇結節(Upper lip tubercle)

上唇の中央から下方向に膨らんでいる部分です。

M字リップ形成では、この上唇結節と左右の赤唇の形を調整することで、メリハリのある上唇を目指します。

2018年にMurthyが発表した論文では、上唇結節は単なる小さな突起ではなく、上唇中央約1/3に広がる、なだらかな隆起であると説明されています。

上唇結節には個人差があり、幅や突出の程度によって唇の印象が変わります。

■M字リップとは?

③ M字リップには2種類のデザインがある

私はM字リップをデザインする際、特に上唇結節の横幅を重視しています。

大きく分けると、次の2つのデザインが考えられます。

A. 上唇結節が狭いM字リップ

上唇中央の膨らみを比較的狭く、丸みのある形にするデザインです。

中央の形が強調されるため、M字のメリハリがはっきりとした、可愛らしい印象になります。

B. 上唇結節が平行型のM字リップ

上唇中央の膨らみを横方向に広く取り、下縁が比較的平坦になるようにデザインするタイプです。

中央の膨らみに適度な幅があるため、より柔らかく自然な印象になります。

この2種類は、私が患者様にデザインの違いを説明するために使用している分類であり、医学的に標準化された分類ではありません。

大切なのは、どちらが優れているかではなく、患者様の好みや元々の唇の形に合っているかということです。

 

④ M字リップ形成の症例

今回ご紹介するのは、もともと上唇にボリュームがあり、自然で幅が広めの上唇結節を希望された患者様です。

上唇中央の結節と左右の赤唇のバランスを考慮し、M字の輪郭が美しく見えるようにデザインしました。

M字リップ形成で大切なのは、単純に唇を薄くすることではありません。

上唇結節の幅や下方への突出の程度、左右の赤唇のボリュームを細かく調整することで、自然な立体感とメリハリのある口元を目指します。

特に上唇結節の形は、唇全体の印象を大きく左右するため、患者様の好みや元々の唇の形に合わせてデザインすることが重要です。

【M字リップ形成】術前と術後の症例写真
M字リップ形成M字リップ

 

⑤ ピーナッツリップとは?

ピーナッツリップとは、下唇中央にくびれがあり、その左右にふっくらした膨らみがある唇のことです。

正面から見ると、ピーナッツのような形に見えることから、このように呼ばれています。

医学的には、下唇中央のくびれは Central indentation と呼ばれ、下唇の自然な形態の一つです。

2023年に発表されたHarrisらの論文では、214名の唇を対象に形態を分類しています。

この論文では下唇を4種類に分類しており、そのうちType Aが中央にくびれのある下唇です。

つまり、ピーナッツリップに近い形は、もともと正常な唇にも存在する自然な形態なのです。

■下唇の形態比較

⑥ ピーナッツリップ形成術とは?

ピーナッツリップ形成術は、下唇の中央部分を調整することで、左右の膨らみを強調し、下唇にメリハリを作る手術です。

下唇全体の厚さを単純に増やすのではなく、中央のくびれを作ることで立体感を出すことが特徴です。

ヒアルロン酸でも下唇のボリュームや形を調整することはできますが、中央に明瞭なくびれを作ることには限界があります。

一方、切開による形成術では、組織の形そのものを調整できるため、より明確な形態変化が期待できます。

ただし、切開による変化は長期間残る一方で、術後の瘢痕拘縮や形態変化も起こり得ます。

また、現在のところ「ピーナッツリップ形成術」という名称で、その長期成績や安全性を十分に検証した医学論文は限られています。

そのため、適応を慎重に判断することが大切です。

⑦ M字リップとピーナッツリップは組み合わせると綺麗?

上唇のM字と、下唇のピーナッツ型のくびれには、形態的なつながりがあります。

上唇中央の上唇結節は下方向に膨らみ、下唇中央にはくびれがあります。

この2つの構造が自然に調和することで、立体的でメリハリのある口元になります。

ただし、必ずしもM字リップとピーナッツリップの両方が必要というわけではありません。

もともと上唇の形が綺麗な方であれば、下唇だけを調整することでバランスが良くなる場合もあります。

反対に、下唇の形が整っている場合には、M字リップ形成だけで十分なこともあります。

重要なのは、上下の唇を別々に考えるのではなく、一つの口元としてデザインすることです。

綺麗な唇の条件には、上下の厚さのバランス、M字の形、下唇中央のくびれ、口角の位置などがあります。

しかし、すべてを理想とされる形に近づければ、必ず綺麗になるわけではありません。

唇にはもともとの個人差があり、顔全体の骨格や鼻、人中とのバランスも重要です。

私が大切にしているのは、必要な部分だけを調整して、その方に合った自然で綺麗な唇を作ることです。

M字リップやピーナッツリップを検討されている方は、ぜひご自身の唇の形を観察してみてください。


参考文献

  1. Fanous N, et al. The ‘bikini lip reduction’: A detailed approach to hypertrophic lips. Can J Plast Surg. 2007;15(4):205–210.
  2. Murthy J. The refinement of the median tubercle of cleft lip. Indian J Plast Surg. 2018;51(2):131–136.
  3. Talei B, Pearlman SJ. CUPID Lip Lift: Advanced Lip Design Using the Deep Plane Upper Lip Lift and Simplified Corner Lift. Aesthet Surg J. 2022;42(12):1357–1373.
  4. Harris S, et al. Introduction of the Lip Classification of Tubercles: A Novel Approach to Minimally Invasive Aesthetic Lip Treatments. Aesthet Surg J Open Forum. 2023.
  5. Aesthetic Treatment of the Lips With Hyaluronic Acid Filler: The Multi Vector Lip Technique. J Cosmet Dermatol. 2025;24(9).

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