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美容整形コラム
麻酔科医と医者の違いとは?美容クリニックで麻酔科専門医が在籍する重要性
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美容施術を検討する中で、「なぜクリニックによって麻酔科医が在籍しているところと、そうでないところがあるのか?」と疑問に感じたことはありませんか。
その理由は、美容外科において麻酔科医の常駐が法律で義務付けられていないためです。また、美容施術では全身麻酔を用いるケースが限られているため、施術時のみ麻酔科医を外部から招く、外注体制を採用しています。
本記事では、麻酔科医と医者の違いや麻酔科医の役割について詳しく解説していきます。美容医療における麻酔科医の重要性についてもご紹介していますので、施術を受ける美容クリニックで迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
この記事の監修ドクター
目次
麻酔科医と執刀医の違いとは
麻酔科医と執刀医はどちらも美容整形に関わる医師ですが、手術においての役割に大きな違いがあります。麻酔科医は手術中の全身管理と安全確保の役割を担っており、執刀医は実際に手術を行う医者です。
なぜ役割が分けられているのか、次の3つに分けて詳しく解説します。
- 医師にもさまざまな専門がある
- 麻酔科医は全身管理の専門家
- 美容クリニックにおける執刀する医者と麻酔科医の役割の違い
医師にもさまざまな専門がある
一概に「医者」と言っても、内科医・外科医・整形外科医・小児科医・産科医・麻酔科医など、さまざまな診療科があります。各診療科には、それぞれの分野に特化した医師が配置され、分野によって豊富な治療アプローチを行っています。
たとえば内科医は、感染症や生活習慣病など、投薬や生活指導によって治療のできる病気を担当しているのが特徴です。一方で外科医は、腫瘍や骨折など手術を必要とする治療を行います。
病気の種類や進行程度によって治療法が違うため、それぞれの診療科には専門知識をもった医者が在籍しているのです。
麻酔科医は全身管理の専門家
麻酔科医は、手術中の呼吸・血圧・意識・痛みなどの全身状態を管理する専門家です。
麻酔科医と聞くと、単に麻酔をかけるイメージがある方も多いのではないでしょうか。しかし実際には、手術の工程によって麻酔薬を変えたり、患者様の体質に合わせて麻酔の投与量を調節したりと、麻酔科医にはさまざまな役割があるのです。
具体的には、麻酔で痛みを感じさせないようにするだけでなく、体の反射を防ぐために筋肉の動きを緩める筋弛緩薬も投与したり、心拍数や血圧などを常時モニターチェックしたりしています。
麻酔科医は、手術が安全かつ円滑に行えるよう、医師と連携しながら全身の状態を管理しています。
美容クリニックにおける執刀する医者と麻酔科医の役割の違い
美容クリニックにおいては、手術を執刀する医者と麻酔科医が連帯することで、より高い安全性や仕上がりの美しさを実現しています。
麻酔科医が患者様の全身管理を行うため、医者は手術そのものに集中し、より正確で安全な手術を行えるのです。
なお、一般的な外科手術では全身麻酔が必要とされるケースが多く、麻酔科医による全身管理が前提となっています。
美容クリニックにおいては、外科と比較して全身麻酔を使用する機会が少なく、全身管理を必要とするケースも限られています。法的に麻酔科医の常駐が定められているわけでもないため、クリニックによっては麻酔科医が常駐していないケースも少なくありません。
とはいえ、日本麻酔科学会では緊急時の対応として以下のように記載されているため、麻酔科医設置の義務はなくとも、万が一に備えた体制づくりが重要であることも示されています。
7‒1) 緊急時の体制と準備 7‒5) 緊急時のバックアップ体制 |
そのため、美容クリニックで美容整形を受けるのであれば、麻酔科医が常駐しているクリニックを選ぶことで、安心できる環境で施術を行えます。
麻酔科医の役割とスキル
麻酔科医の主な役割と必要とされるスキルは、主に以下の3つです。
- 術中の循環・呼吸・意識・痛みをコントロール
- 患者様ごとに最適な麻酔設計を行う技術力
- 緊急時にも対応できる冷静な判断力
それぞれ順番に解説します。
術中の循環・呼吸・意識・痛みをコントロール
手術中における循環(血圧や心拍)・呼吸・意識・痛みをコントロールするため、麻酔科医は常時モニタリングチェックをしています。
手術の刺激によって血圧が上昇した場合、出血が止まらなくなるリスクもあるため、麻酔科医は必要に応じて降圧薬の投与や麻酔の追加などを行い、血圧を適切な範囲にコントロールします。
また、全身麻酔を使用する場合、患者様は自発呼吸ができなくなるため、気管チューブの挿管や人工呼吸器による呼吸管理が必要です。麻酔科医は気道確保を行った後、モニターで酸素レベルや心拍を随時確認しています。
患者様ごとに最適な麻酔設計を行う技術力
麻酔が効く量は一人ひとり異なるため、患者様の既往歴や体質を細かくチェックする術前検査も徹底して行います。
使用する麻酔の種類や投与量、麻酔を使用するタイミングなどを麻酔科医が見極め、手術前に医者と情報共有を行い、患者様ごとに最適な麻酔設計を行っています。
なお、麻酔の役割や種類については、以下の記事でも解説していますので、あわせてご覧ください。
▶麻酔科医が在籍している美容外科を選ぶメリットとは?麻酔の役割や種類も解説
緊急時にも対応できる冷静な判断力
麻酔科医に必要なスキルの一つとして、とくに重要なのが緊急時の対応です。一般的な外科手術と同様に、美容施術でも予期せぬ体調の変化が起こる可能性もあるため、万が一の場合には迅速かつ冷静な判断が求められます。
とくに血圧向上による出血多量・意識レベルの急変による覚醒・低酸素・不整脈などは、命に関わるリスクとなるため、患者様の全身管理に特化した麻酔科医の存在は必要不可欠となります。
美容医療における麻酔科医の重要性
美容医療において、麻酔科医の存在は必須とされていないものの、以下の3つの点から重要な役割を担っていることがわかります。
- 麻酔の専門的な管理が美容医療の安全性を高める
- 麻酔の質が仕上がりにも影響
- 麻酔の副作用・覚醒トラブルのリスク軽減
麻酔科医が美容医療においてなぜ重要とされるのか、順番に解説します。
麻酔の専門的な管理が美容医療の安全性を高める
専門性の高い適切な麻酔管理により、美容医療における安全性の向上が期待できます。
手術中は血圧や呼吸、心拍といった全身の状態が常に変動しており、適切なバランスを保つには高度な判断力が必要です。医者が麻酔管理を兼任するケースでは、施術と全身状態のモニタリングを同時に行うことになり、管理が不十分になるリスクも否定できません。
そのため、麻酔のプロフェッショナルである麻酔科医が全身管理を集中して行うことで、医師がより施術に専念でき、安全性の高い施術を行えるようになります。
麻酔の質が仕上がりにも影響
麻酔の質が低いと、仕上がりに悪影響を及ぼす可能性があります。
術中の麻酔管理が不十分で麻酔が浅くなると、患者様の体が無意識に動いてしまい、医師の繊細な操作が妨げられることで、理想的な仕上がりにならないおそれがあるためです。
さらに、浅麻酔の状態では血圧が上昇しやすくなり、出血量の増加や術後の内出血を招くリスクも高まります。これにより、腫れが強く出たり、ダウンタイムが長引いたりする原因にもなるため、術中の麻酔管理は慎重に行わなければなりません。
麻酔の質は施術中の安全性を保つだけでなく、仕上がりの精度を高めてダウンタイムを最小限に抑えるためにも重要な役割を果たしています。
麻酔の副作用・覚醒トラブルのリスク軽減
一人ひとりに合った適切な麻酔の投与を行わないと、手術中の覚醒リスクや術後の嘔吐・ふらつきといった副作用が生じる可能性もあります。
このような副作用やリスクを避けるためには、麻酔科医による徹底した麻酔管理とモニタリングチェックが欠かせません。
当院の麻酔体制と取り組みによって患者様に選ばれる理由
ここまで解説した麻酔科医の役割や重要性をふまえて、当院では患者様により安心して施術を受けていただけるよう、以下3つの取り組みを徹底しています。
- 執刀医と麻酔科医の分業体制
- 中央配管システムによる衛生的な麻酔環境
- 術前・術中・術後まで麻酔科専門医が一貫してサポート
当院ならではの取り組みを、順番にご紹介します。
執刀医と麻酔科医の分業体制
当院では、患者様の安全性を最優先とするため、医者と麻酔科医の役割を分担した「分業体制」を採用しています。
美容クリニックでは医者が麻酔の投与を行うケースが多い中、当院では麻酔科医と医者それぞれの専門性をより発揮できる体制も整えることで、より高い安全性と仕上がりの美しさを目指しています。
中央配管システムによる衛生的な麻酔環境
当院では、医療ガスを使用した麻酔をより安全かつ衛生的に管理するために、「中央配管システム」を導入しています。
中央配管システムでは、施術において必要とされる酸素・空気・麻酔(笑気)が、それぞれの配管から直接手術室(麻酔器)へ配給される仕組みになっているのが特徴です。
中央配管システムによる医療ガスの一定配給に加え、各ガスの投与量は麻酔器のモニター上にリアルタイムで表示されるため、麻酔科医が患者様の状態に応じて即座に対応できる環境が整っています。
また、酸素の供給が不足した場合に他のガス供給が自動的に遮断される仕組みや、麻酔ガスの配給が一定以下にならないよう制御されるシステムなど、誤作動防止や安全機能も多数搭載されています。
麻酔科医による適切な麻酔の投与判断と、中央配管システムによる安定した医療ガス配給により、より高い安全性で衛生的な施術環境を整えているのが当院の強みです。
術前・術中・術後まで麻酔科専門医が一貫してサポート
当院では、麻酔科専門医が術前から術後まで、一貫して患者様を見守る体制も整えています。徹底した術前検査・術中の丁寧な麻酔管理・術後の覚醒まで、患者様の全身状態を専任の麻酔科医が担当しています。
「施術中に目が覚めないか心配」「全身麻酔後の気持ち悪さが苦手」といったお悩みにも対応できるようヒアリングを徹底していますので、どうぞお気軽にご相談ください。
一人ひとりに合わせた麻酔コントロールにより、患者様の負担を抑えています。
当院の施術の安全を支える麻酔科専門医「中村 裕也」医師
当院で患者様の全身管理を行うのは、麻酔科専門医である「中村 裕也」医師です。
複数の資格を有し、麻酔における高い専門性と実績を兼ね備えた、麻酔のプロフェッショナルです。当院でも多くの施術に携わってきた中村医師の魅力を、以下の3つに分けてご紹介します。
- 高い専門性をもつ麻酔のプロフェッショナル
- 麻酔専門医・指導医としての高い技術力
高い専門性をもつ麻酔のプロフェッショナル
中村医師は、麻酔科専門医・麻酔科指導医・麻酔科標榜医などの資格を有する、高い専門性をもつ麻酔のプロフェッショナルです。
大学病院や総合病院の麻酔科で培った豊富な知識に加え、美容医療においてもさまざまな症例に携わってきた医師です。
麻酔専門医・指導医としての高い技術力
中村医師が有する日本専門医機構が認定している「麻酔科専門医」、および日本麻酔科学会が認定している「麻酔科指導医」の資格は、どちらも信頼性の高い資格です。
麻酔科医専門医は、麻酔の安全な投与に必要な知識と技術を兼ね備えた医者に与えられる、いわば専門性の証明となる資格です。一方、麻酔科指導医は、麻酔科専門医の上位資格にあたり、専門医の指導や育成を行う立場に与えられる資格となります。
なお、麻酔科医は他の診療科と違い、「〇〇のクリニックで診療を行っています」といった標榜(ひょうぼう)を掲げるには、医師免許だけではなく厚生労働省からの認可が必要となります。
麻酔が患者様の生命維持に直接関わる医療行為であり、高度な専門性と責任が求められるためです。
そのため、麻酔科標榜医の認定を受けるには一定の症例数と経験を必要とし、国に届け出たうえで許可を受ける必要があります。
中村医師は、麻酔科専門医・麻酔科指導医として高い専門性が認められているだけでなく、国からも麻酔の専門家として公式に認定された麻酔科標榜医でもあります。
美容クリニックを探している方は麻酔科専門医が在籍し安全を追求している当院へご相談を
麻酔科医と医者の大きな違いは、手術中の「麻酔管理」と「執刀」であり、それぞれ役割が異なります。
麻酔科医における役割は痛みの緩和だけではなく、循環・呼吸・意識・痛みのコントロールや急変時の対応、術前~術後のサポートと多岐にわたります。患者様の命に関わる役割だからこそ、豊富な知識や経験が求められるのです。
当院では、麻酔科医と医者の完全分業体制をはじめ、中央配管システムによる医療ガスの安全管理など、安心して施術を受けていただける環境づくりを徹底しています。
「痛みが怖い」「施術中に目が覚めないか心配」など、美容医療にご不安がある方は、どうぞお気軽に当院へご相談ください。

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監修医師紹介
深堀 純也 医師 ( WOM CLINIC GINZA 理事長 )
専門分野:小顔治療 / 二重・垂れ目形成 / クマ治療 / / 若返り治療 / 豊胸治療
専門分野:小顔治療 / 二重・垂れ目形成 / クマ治療 / / 若返り治療 / 豊胸治療
監修医師紹介ページはこちら
東京都板橋区生まれ。4歳~10歳まで父親の転勤に伴いアメリカで過ごす。海外生活で個性的なキャラクターと純粋な性格が育まれる。幼少期から手先が器用で、ピアノを習ったりプラモデルやレゴで遊んでいた。外科医を夢を持ち医学部に進学、医学生時代に二重整形を経験し、人生観が大きく変わる経験をし、美容整形に興味を持つようになった。念願の美容外科医になってからは毎日全国各地を飛び回って美容医療に没頭する日々。外見やコンプレックスが改善されることで、人々が笑顔になっていくのを目の当たりする中で美容医療の意義と社会的な価値を確信する。学会やアメリカ・韓国・中国と海外の技術研修に参加し、トップレベルの技術を学ぶ。自身の施術を貪欲に追及し、あらゆる施術においてダウンタイムを減らし、仕上がりを良くすることに取り組んでいる。
略歴
- 2004年 筑波大付属高校卒業
- 2010年 秋田大学医学部医学科卒業
- 2010年 東京医科歯科大学附属病院勤務
- 2011年 東京都教職員互助会三楽病院勤務
- 2012年 東京美容外科勤務
- 2013年 東邦大学附属病院形成外科勤務
- 2014年 東京美容外科分院長
- 2016年 ガーデンクリニック分院長
- 2017年 THE CLINIC勤務
- 2019年 藤ナチュレ美容クリニック院長
- 2020年 WOM CLINIC GINZA院長
- 2021年 WOM CLINIC GINZA統括医師
- 2024年 WOM CLINIC GINZA理事長
保有資格
- ・日本美容外科学会正会員
- ・日本形成外科学会正会員
- ・日本抗加齢医学会正会員
- ・日本救急医学会ICLSコース取得
- ・アラガンBotox Vista認定医
- ・VASER LIPO認定医
- ・CRF(コンデンスリッチファット)認定医
- ・VASER 4D Sculpt認定医
- ・TOTAL DEFINER by Alfredo Hoyos認定医
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